この声が、いつか…。
今じゃなくてもいいんだ。いつかでいいから、君に届けばと願う。
君に恋をしたのは、月が明るくてとても綺麗な夜の日のことだった。
いつもの駅前広場で、いつもの様にギターを抱えて、僕は人の流れに向かって精一杯声を上げて、歌を唄っていた。
何もかもがいつもと変わらない。だけど…ひとつだけいつもとは違ってた。
僕がその時唄っていたのは、自分で作詞作曲を手掛けた失恋ソング。もちろん僕の実体験を元にしたもの。
目の前には座り込んで目を閉じて、僕の歌に耳を傾ける少女がいた。