やっと待ちに待った車掌の声だ。
猫役場ではないが次の駅に着けば、だいたいどこかわかるはず。
アナウンスにも関わらずどっしり猫はまだぐっすり。夫婦猫は目を覚ました。
『さあ、着きましたよ』
『ええ…迎えに来てくれてありがとう。私ずっと幸せだったわ』
『これからはずっと一緒です。ずっとずっと幸せですよ』
なんて温かい愛なんだと感じていた。
二人はとても美しい。
いろいろな愛の形が合って二人はとてもお似合いだ。
どっしり猫はむにゃむにゃと眠る。
余程、疲れていたのだろう。駅に着いたら起こしてあげねば。
こちらもずいぶん疲れた。うつらうつらだが汽車の揺れが心地良い。
いつかあの夫婦のように誰かを迎えに行かなくては…
汽車は今日もジュッジュッポウポウと猫を運ぶ。