いつか…また君は僕に微笑みかけてくれるだろうか。
君は独りで泣いていないだろうか。
僕は、何故君の傍にいてあげられないのだろう。
雑踏に交わる雑音。僕の歌声はいつも掻き消されて、誰の耳にも届かない。だけど、この日は違ってた。
少女はずっと目を閉じていたが、いつの間にか白く染まる頬に一筋の涙が零れ落ちたことに気付いてしまった。
「いい曲だね」
少女は、歌が終わると笑顔でそう言って人込みの中に消えていった。
いつか、また会えるだろうか。
僕の声が、いつか君の元に届けばいいと、いつも願う。