「…ここだ。」
明らかに怪しい穴だった。
ここから、東京まで行っていたのか。
香山先生は、地下通路へと続く階段を下り始めた。
「だんだん…暗くなってくるな。」
「先生…敦士さんたち来ました。」
「お…おぅ。」
「これからは…オレたちに任せろ。」
敦士さんは、階段の果てにあった重そうな扉を開けた。
その扉の先には、よく分からない機械がいくつも置かれている部屋。
「敦士さん…いくつも穴がありますけど。」
良太は敦士に聞いた。
「どれも東京のいじわるタワーズに繋がっている。」ここが1つの分岐点になりそうだ。
すると1人の男が言った。
「ここから、6つのグループに分かれて下さい。私達も分かれますので、よろしくお願いします。」
「幸輔。一緒に行動しよう!」
「うん。優太と一緒なら楽しそう。」
こうして、幸輔、優太、良太、涼子、拓也の5人と、香山先生、敦士さんで1人のグループとなった。
みんなと別れてから、
どれだけ、歩いただろう。未だに、変わったものが見えない。
ずっと、穴のような道を通っている。
時々、雨漏り?なのか、雨粒が滴り落ちている。
皆、無言。
香山先生がライトで先を照らし、
敦士さんが警戒しながら進む。
すると、少し広いスペースが見えてきた。
「ここで…寝よう。」
「寝る?」
敦士さんの予想外の一言に、みんなただ驚くばかり。「そうだ。ここから先になると、安全でなおかつ寝られる場所はないに等しい。」
香山先生も、
「とりあえず、休んだほうがいい。…これからの為にも。」
「…分かりました。」
5人は頷いた。
このまま、決戦に備えよう。
…と、思ってたのに。
いじわる先生のもとに、1人の生徒がやってきた。
その生徒の目は殺意に満ちているようだ。
「…何だ。お前か。」
「許さないから。」
「何だよ急に。お前の両親を殺したからって、そんなに恨まれても困るんだ。」だんだん…その生徒の息遣いが荒くなっていった…。