『期待』

 2009-11-28投稿
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『なんのために生きてるんだ?』


嫌気がさしたとき

他人に 自分に 人生に

ふとよぎる


けど、死ぬのはちょっと怖くって

生きながらにして死んでいる。

僕は釣り上げられている魚みたいだ

僕はどうすることもできず、痛苦しさを感じながらじっとぶら下がっていた。

あるとき
潮風が体をそっと撫でているのに気が付いた。


喉は針がチクチク痛いけど、それほど気分は悪くなくなっていた。

ふと視線を向こうに移すと、そこに海があった。広い広い海だった。

そこには底知れなさと暗さがあった。
一方で輝きもあった。
僕はしばらくそれを眺めていた。


次第に僕は心に得た気分になってきた

確かに恐怖心はある。でも…


僕は力一杯身をよじって針を外し、思いっきり海に飛び込んだ。


「ちゃぷんっ」と小さいけど、確かなクリアな音がした。


そうだ、
生きることは手段じゃなかった。目的だったんだ。そして僕はずっと期待し続けていたんだ。生きぬく先にある何かを。



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