一角聖獣15

トリップ.Bank  2009-11-28投稿
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 朝食を片付けた僕は、外に出て、馬と牛を小屋から出して、放牧を始めた。その後に、馬小屋と牛小屋の藁を替え、ニワトリ小屋のニワトリにエサを与えた。
 この後は、山羊を連れて高い丘に行くのが、日課なのだが、今日はタナーおじさんが町まで配達に行くから、その準備をしなくてはならない。
 しかし、その前にキリストの馬小屋に向かった。

「キリスト!おはよう!」
「ヒヒンッ」
 僕の挨拶に、キリストはいつものようないななきを返した。
 今日初めての挨拶だ。
「キリスト、昨日はサーカスの一団が来てね。ここにしばらく泊まる事になったんだ。悪い人達じゃないよ。少なくとも、イーディン・ローはね」
 僕が笑みをこぼしながら話すのを、キリストは目を逸らさずに聞いていた。
 でも、僕から笑みは消え失せた。あの事を思い出したからだ。
「でも、一つ不安なんだ。タナーおじさんが言ってたんだけど、ライオンに会ったら、君は殺されるって言うんだ。君は虎も象も倒せるんだろう?何でライオンは倒せないの?」
 僕がキリストに聞くと、キリストは小屋の入り口に顔を向けた。
 僕もつられて、そちらに顔を向けると、そこにはイーディン・ローが立っていた。
 イーディン・ローは驚いていた。無理も無い。架空の生き物が目の前に実在しているのだから。
「い、いっかく…一角じゅ獣…なん、何でここにいるんだ?」
 上手く回らない舌を必死に動かして言っていた。

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