同じようで違うお前と俺。2人のようで1人のお前と俺。
それでも、例えば見上げれば広がる空と優しくさざ波をたてる海のように、地平線の先では交わりあうように、ただただ存在する。
お前は昼が好きだ。
――俺は夜が好きだ。
お前は日溜まりが好きだ。
――俺は影が好きだ。
お前は太陽が好きだ。
――俺は月が好きだ。
お前は夏が好きだ。
――俺は冬が好きだ。
ほら、似ているようでまったくの正反対。俺が憎んだ人間を、お前は愛した。そして、正反対の奇跡がおきた。
俺はお前が好きなのに、お前も俺を好きだという、まさに奇跡。
俺は夢みたいだという。
――お前は夢じゃないという。
俺は正反対だったという。
――お前は同じだという。
俺は昔は違ったじゃないかという。
――お前は今は同じという。
俺は正反対の奇跡かといった。
――お前は正反対だからこその、必然だよといった。
笑うお前に、泣く俺。やっぱり正反対。でも、
こんなに近くに、奇跡はあった。
俺は、泣きながらお前を抱きしめた。
正反対の奇跡
(お前はここまで正反対なら、気持ちぐらい同じでいいじゃないと言った。)
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