「あ、銀…なんだよ…」
「今日の３時間目は…落ちこぼれ君の大好きな「対峙」だよぉ」
「………」
「全戦全敗のお前じゃ、今日も記録更新するんだろうけどな」
冷たい覚めた目で裕太を見下ろす。「ちょっとやめなよ！白金！」
やられっぱなしの裕太を救ったのはクラスいいんちょう…鈴堂楓さん…
「女の癖に邪魔すんなよ」「これいじょう裕太をいじめないで！」
「ふっ…女に守られる男に負けるかよ」
ずっとへこみっぱなしの裕太に更に冷水を浴びせる銀を、楓は睨み付けた。
「きにしなくていいんだよ…あいつはずっとそうなんだから」白金と鈴堂さんは幼なじみ…鈴堂は嫌っていて、二人の仲はめちゃめちゃ悪い。
「ごめんね…俺が言い返せば…」
バンッ…「！？」
絵理菜は強く机を叩いた。「くよくよしない！見返してやらなきゃ！」
「は、はいわかりました」よろしいといって言ってしまった。
「ふぅ…雲はいいなぁ」
空を見上げて雲を見る。ただただ漂う雲は…裕太の憧れだった。
この日をさかえに…裕太の戦いが幕をあけはじめていた。
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