どうやらこの階は遊女たちが寝泊まりしているらしいが、今の時間帯は皆出払っているようだ。
閑散としている。
「紅桜はここで生活しているのですか?」
「・・・いいえ・・・彼女は三階で寝泊まり・・・・・・仕事を・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・あの娘は人と交わるのが嫌いみたいで・・・ここには一度も顔を出したことがないんです・・・・・・」
「・・・・・・」
私は彼女に返す言葉がなかった。何を言ったところで何も変わらない。何を言ったところですべてが嘘に思えてくる。だから私は何も言わない。
―情けない