学校を出ると、12月という事もあってかすっかり日が落ちていた
寒さのせいか歩く度にコツコツといい音がする。
アスファルトは暗さと寒さでより一層、黒々としていて、周りの家々はそこに暖かそうな明りをこぼしていた。
一人暮らしをしている自分にとっては家庭はなんだか羨ましいものだった。気温がうんぬんって問題ではなく、一人というのはやはり寒かった。
自分は安い一軒家をかりているのだが、夜寝るときも用心深いせいかぐっすり眠ったことがないし、テレビを見ていて大笑いしてもその後の沈黙がより一層寂しい気持ちにさせて、かえって自分が孤独であることを自覚させられるのだった。
「毎日を共有できる家族が欲しい。」
それが自分の憧れだった。