神のパシリ 42

ディナー  2009-12-01投稿
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「…どうした」

極めて冷静に言葉を発するゼルに、レミーシュはその柔らかな肢体を押し付ける。

豊かな乳房が押し潰され、ゼルのまとうレザー
越しに人肌の温かさが
伝わってくる。

「…大方、不安といった所か?」

華奢なゼルの胸元で、
レミーシュは小さく頷いた。

「だから、だから…
抱いて欲しいんだ…ゼルの手で、私を満たして…
体の…中から…」

声は、微かだが確かに
震えている。

…そして、魂も。

人の感情はよく理解
できないが、おそらく
人とはそういうものなのだろう。

「人は、それで満たされるものなのか…?」

「…ゼルはならないの?」

「…理解に苦しむが…」

レミーシュのしなやかな指が、震えながらも
優しくゼルの装備を
脱がしにかかる。

「抱かれる快感は…ん…
人を…女を…っん…
やめられなくする…
薬だから…」

レミーシュのやや厚い
唇が体をはい、
時折、潤いを持った舌が
ゼルの皮膚を舐める。

そのレミーシュの表情は、おそらく人間ならば、
荒々しく汚し、歪めたくなるような色香を感じるのだろう。

だが、ゼルには、
それは哀れに見えた。

熱を帯び漏れる吐息も、
艶っぽいうめきも、
男を獣に変える美しく
曲線を描く体も、全て。

レミーシュに導かれて、
ゼルは冷たいベッドに
寝かされた。

彼女の体が熱を持って
覆いかぶさり、
そこでゼルも彼女の願いに合わせる事にした。

それで満たされるならば。

いつの間にか、レミーシュに必要以上の感情を
傾けている自分に気付く。

何なのだ……?

魂の凪とは裏腹に、
体が別物のような反応を示す。

ゼルの体も熱を帯び、
快楽を待ち受けているのだ。

レミーシュは、こわばりながらも満足そうに妖艶な微笑を浮かべた。

「嬉しい…私で…ゼルの
体が…んっ…こんなに……」

彼女の指が、ゼルの左耳にかかり、耳飾りを
そっと外した。

このまま、身を委ねるか……。

体が、獣のように荒れようとしていた…







その時。



快感を待ち侘びる体の、右肩に、破壊を感じる
激痛が走った。

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