エイ編?

サン  2009-12-02投稿
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夕暮れ時の病室。
ミミのi-podから、リズム&ブルースが流れてくる。

窓に照らす太陽が、自分が沈んでしまうのを恐れるかのように、斜めから、長い光と影を作り出す。

コウは、ミミの手を両手で包むように握りしめている。

まるで、聖母マリアによりそう男のようだ。

二人の影が、白いシーツに浮かび上がる。

まるで僕とふたりの間には、越えることのできない厚い壁があるようだ。

ミミが潤んだ瞳で見つめる、そして、コウの熱い好きという想いが重なり合う。

僕はこのとき、無力を初めて知った。

二人は両思いなのだ。
どこかでそれを認めたくない自分がいた。

ずっと二人が結ばれてしまうのが怖かった。

でも、この好きという気持ちは、諦めきれない。

だが愛という名の恋愛感情はここで終わってしまう。
そんな気がする。

僕は、病室からそっと出た。

何かくさくさしていた。

この鬱憤を晴らしたくて、私服に着替えてから、街をぶらついた。

そのとき、見覚えのある女子高生のすがたが見えた。

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