わかってる。
別にええねん。
今さら何をあたしは
期待しとったんやろ。
「何でもないっ」
あたしは力を込めて
笑顔をつくる。
何でもない。
あたしの恋なんて
ずっと前に終わってる。
終わらせてんねん。
でも、あたしの好きな数字は2で
あたしの好きな色は今も空の青。
小学生の頃、
皆でテレビゲームを
したことがある。
その時和樹は
惜しいところでは負けてしまって
2位になった。
「ええねん、
俺は2が好きやから」
馬鹿にした友達に
笑って和樹はそう言った。
小学校も中学も
授業中、暇になるといつも和樹は
窓の外を眺めてた。
何見てるん?
尋ねたあたしに
「空。あの青見ると
なんか落ち着くねん」
と嬉しそうに言った。
たったそれだけ。
それだけのことが
あたしの好きな数字も色も
決めてしまって
今も変わろうとしない。
「何やねん。変な真央。」
和樹は何も知らない。
でも、この時ほんまは
あたしの方が何も知らなかった