今回、結衣子が服を買うには訳があった。 結衣子は、情けない家族に心の中で決別してきたことを行動に移す予定だった。 実の親と妹と縁を切ることは、人に、心の有り様等を語る立場の人間は、あまりしようとはしないだろうが、結衣子は、あえて、彼女達との別離を選んだ。 それにしても、60年に近い日々を、ずいぶん、くだらない感情に付き合わせたものである。
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