似たひとを好きになる。
誰に似てる?
わたし?
あの人?
あの人は言った「君と俺は似ている」
じゃあ、今、わたしに近づいてる彼は?
身代わりのように、愛そうと思う。彼を。あの人の身代わりに、彼を。
……どうせ、報われない。
愛しても愛しても、届かない。
行き場が無い……
だから、あの人への愛を、彼に、ぶつけようと思う。
あの人に、与えられなかった熱を、
……報われない。
いまさら遅い。……
だけど、身代わりが現れた。あの人の身代わり。
あの人に似たひと。
そう。彼にも、届かない。彼も、また、あの人と同じ。
熱の、吐きばが欲しいの。
血を吐くように、
口と口、喉と喉、息と息
そこに彼が、いてくれるのならば、真っ白になって、彼を、愛そうと思う。
あの人に、できなかったこと、あの人に与えることができなかったもの、あの人のために、しなかったこと、
あの人に似た彼に、すべて与える。