只今14:26。
国立競技場前。
私、河合雪乃は
告白の真っ最中。
…って言っても、
告白されている側だ。
「付き合って下さい」
「ごめんなさい」
即答。
その顔でよく告白出来たな。
…勇気だけは認めてやろうかな。
「で、ですよね…すみませんでした…」
半泣き状態で去っていく青年、保田幹久。
落ちこぼれの野球部万年補欠。容姿も野球も落ちこぼれである。
その落ちこぼれが、私に交際を申し込んでくるとは……。
明日は笑い者だな。
─翌日。
「雪乃〜!昨日、保田に告られたってマジ!?」
「断わったよね!?」
クラス一番の話題は、もちろん昨日の告白。
…なぜ、こんなに情報が早いんだ?
「どーなの!?」
「もちろん、断わったよ」
「だよね〜!釣り合わないし!!」
「さっすがミス青葉!雪乃、可愛いもん♪」
ミス青葉とは、この青葉高等学校で開かれるミスコンの優勝者…つまり、私の事だ。
ま、外見だけなのだが。
「しかも雪乃には、あの雄也くんが居るし?」
「雄也くんはいい男だよね〜お似合いじゃん♪」
「え!?そんな事ないよ〜!!」
「なんで〜?ラブラブじゃん♪」
…本当だよ。上手くいってないし。