その扉は誰でも開けることができる夢の世界への扉。
皆気付いていないだけ。
扉はいつでも開けられる。 あなたにその勇気があるならば・・・・・
都会から電車で15分。
そこに彼、長崎 慎吾の家がある。
都会から15分といえば街も栄えて高層ビルがあることを想像してしまう人は大間違いだ。
都会から電車で15分も離れれば2世紀ほどの違いがある町もざらである。
慎吾はそんな町で生まれ育ち今年で17になる。
来年で大学生になる慎吾は毎日2時間ほどをかけて高校に行っている。
その日も学校へ行くためいつもと同じ時間に家を出たのだ。
その日もいつもと何も変わらない一日が始まるはずだった・・・・・
電車の駅に入ると後ろから大きな声をあげて慎吾に駆け寄って来る少女がいた。
名前は光野 雪。
小・中・高と同じ学校でいわゆる幼馴染みというやつである。
「なぁ、雪。 いつも言ってるが公の場で仮にも女のお前が大声出しながら走るな。 マンガじゃないんだぞ?」
「はぁ〜い はい。」
雪は笑いながら適当に慎吾の注意を流していた。
雪はいつもこんな感じだった。
明るく、元気で、正義感が強く、男勝りなんだけど時々少女のように弱いところもあって・・・・
ほっとけない奴という感じだった。
雪と慎吾は同じ町に住んでいていつも朝は一緒に学校へ行っていた。
別に待ち合わせしてるわけじゃあないけどいなかったらその場で少し待つ程度のことはお互いによくしていた。
ここまではいつもと変わってなかったんだ。
変わるはずがないと思ってたんだ。
変わって欲しくないと願い続けていたんだ。
だがその瞬間はすぐに来てしまった。
電車がホームにくるというアナウンスが来た瞬間雪は線路に落ち助ける間もなくホームを血色に染めた。