――波「もう重たい!
タケ荷物持ってー」
猛「任せて!!」
9人は駅を出て
周りを見渡した。
すでにたくさん荷物を
持っている猛は
波音の荷物を受け取った。
翼「めっちゃ天気えーな!」
波「わーい!山が見えるー」
波音の背中で
ピンクのケースが揺れた。
美「波音、ペット気をつけや」
波「はーい!翼行こう!」
翼「行こう!!」
波音と翼ははしゃいで
人通りの少ない道を
走って行った。
猛「うわ!翼ずるい!」
聖「ほんまあいつらは…」
美「うちらも行こうか」
残りのメンバーも
荷物を持ち上げ歩きだした。
美「ほんまドラムとアンプ、
先送っといて良かったわ」
だるそうにサックスを
持ち上げる美弥の隣で
秋奈もため息をついて
荷物を持ち上げようとしたが
それより先に慶太郎の手が
鞄を持ちあげた。
慶「…持つわ」
慶太郎は軽々と秋奈の鞄を持って
歩きだした。
秋「ありがとう!」
美「ちょっとーうちのはー?」
慶「美弥姉は
力持ちじゃないですか」
慶太郎は悪戯な笑みを浮かべた。
光希は慶太郎の様子を
気付かれないように見ていた。
拓「大丈夫か?持ったろか?」
光「ううん、いい」