私は病院へ急いだ。
龍之介のお兄さんが
病院の外で待っていた。
【美優ちゃん来てくれたんだね…龍之介は中だよ…】
【本当に龍之介は死んだんですか?嘘ですよね】
【俺だって嘘だって思いてーよ!生きてるって信じてーよ!】
【……】
怒鳴り声が病院に響いた。
涙を流しながら…悲しい目をしながら私に言った。
この時初めてお兄さんの言うことが本当なんだとわかった
しばらく歩くと龍之介の両親が一つの部屋の前で泣いていた。
部屋…部屋の扉の上に書かれた文字…
それは【霊安室】だった。
私は頭が真っ白になった。 その部屋には…龍之介がいた。可愛い笑顔の龍之介じゃない 顔には切り傷だらけの冷たくなった龍之介だった。
【いやだ…いやだ…なんで…私龍之介がいなきゃ…生きて…いけない…よ…】
私はその場で泣き叫んだ。
【お願い…ふざけないで…起きて…起きてよ…】
私は傷だらけの龍之介にキスをした。
冷たい…冷たくなった龍之介の唇に…。
でも 起きてくれない。
いくらお願いしても…叶えてくれない。