もしも明日が2-6

花神ミライ  2009-12-04投稿
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「…やっぱり、早稲田なしじゃちょっとキツいかも知れないわ。」
若菜が言った。
「火葉くんに使えるのはその高い戦闘能力だけなのよね?
ならやはり早稲田の『眼』がないと不利かもしれないわ。」
「藤阪は?」
「私?私は『音』よ。
聴力なんて、聞こうと思えばこの距離にいる火葉くんの心音だって聞けちゃうんだから。」
若菜が誇らしそうに胸を張る。
「相手の心音から位置を割り出すことは?」
「出来るわ。
でも、特定には至らない。」

早稲田はきっと協力してはくれないだろう。
何が彼をそこまで頑なにさせているのかもわからない。
火葉に早稲田を協力させる術はなかった。

「早稲田には私から言っておくわ。
いつにするの?」
佐倉に課された期限は日曜までだ。
「今週中。」
「わかったわ。」

キーンコーン
カーンコーン…

「さぁ予鈴がなったわ。
学生の本分は勉強よ。」
鳴り響くチャイムに急かされるようにして火葉は資料室を追い出された。
「自分だって学生だろ…」
ピシャリと固く閉ざされた資料室のドアにぼやき、本鈴が鳴る前にと教室に戻って行った。


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