波「どのくらい歩くん?」
道路横の歩道を
1列になって歩き始めると
先頭を歩く波音が振り返った。
拓「うーん、1時間くらい?」
波「えー!!」
翼「なんかそれ聞いたら
疲れたー
聖ちゃん、荷物持ってー」
聖「何でやねん、しっかり歩け」
一番後ろを歩いていた光希は
重さに耐えられずついに
荷物を地面に下ろし
ため息をついた。
2人ほど挟んだ先で
並んで歩く秋奈と慶太郎の姿が
目に映る。
すると突然すぐ目の前で
光希の荷物が持ち上げられた。
光「…え?」
拓「…だから言うたったのに。
力ないくせに強がんな。
ほんま置いてくで」
拓朗は光希の荷物を持って
歩き出した。
前を歩く7人から少し離れて
先ほどよりゆっくりと
光希が遅れないように進む。
「…ありがとう」
ぼそっと呟いた光希の言葉に
拓朗は振り返って舌を出した。