「守ってくれるって・・・。
付き合ってもないのに。」
「紅璃は馬鹿だなあ。だから頑張るんでしょ?」
「もうッ。七海はいつも馬鹿馬鹿って・・・。
まあ、本当のことだけど笑」
「あはは。
それにしても、佳奈先輩は恐いなあ・・・。
対処法を考えなくちゃ。」
「ねえ、七海。やっぱり七海は関わらないほうがいいよ。
七海まで大変な目にあったら、私・・・。」
「いーの!私がやるっていってんだから。
第一、友達が危ない目に遭ったっていうのに、
黙って見てるだけなんて、ありえないもん。
友達守るのが私のタチなんだから!」
「七海・・・ありがとう・・・。」
「いーって!!大丈夫だから!
じゃあ・・・寝ますか!!」
七海と話してるうちに夜遅くになってしまっていた。
「そうだね。おやすみー。」
「おやす・・・。」
七海は相変わらず寝るのが早い。
前にも泊まったり泊まり来たりしたことがあるが、
七海はいつも私より早く寝る。
今日は私も、早く寝るか。
七海から滲み出る優しさに包まれて寝ることした。
私はこんな夢を見た。
暗い洞窟。
私は誰かに追いかけられている。
女の人・・・。佳奈先輩だ。
私は大泣きをする。
恐くて、恐くて・・・。
ふと目の前に大きな光が見えた。
眩しすぎて何も見えない。
そのまま光の中に飛び込むと、
気付けば晃輝先輩の胸の中にいた。
あの日の楽器庫の中の出来事のときみたいに・・・。
晃輝先輩は何かを言った。
消えそうな声で。
私はそこで夢が覚めた。
聞こえたはずなのに覚えてない。
嬉しかったはずなのに覚えてない。
なんとも不思議な夢だった。