遠い遠い君へ

くろ  2006-08-12投稿
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「守ってくれるって・・・。
 付き合ってもないのに。」

「紅璃は馬鹿だなあ。だから頑張るんでしょ?」

「もうッ。七海はいつも馬鹿馬鹿って・・・。
 まあ、本当のことだけど笑」

「あはは。
 それにしても、佳奈先輩は恐いなあ・・・。
 対処法を考えなくちゃ。」

「ねえ、七海。やっぱり七海は関わらないほうがいいよ。
 七海まで大変な目にあったら、私・・・。」

「いーの!私がやるっていってんだから。
 第一、友達が危ない目に遭ったっていうのに、
 黙って見てるだけなんて、ありえないもん。
 友達守るのが私のタチなんだから!」

「七海・・・ありがとう・・・。」

「いーって!!大丈夫だから!
 じゃあ・・・寝ますか!!」

七海と話してるうちに夜遅くになってしまっていた。

「そうだね。おやすみー。」

「おやす・・・。」

七海は相変わらず寝るのが早い。
前にも泊まったり泊まり来たりしたことがあるが、
七海はいつも私より早く寝る。

今日は私も、早く寝るか。

七海から滲み出る優しさに包まれて寝ることした。


私はこんな夢を見た。
暗い洞窟。
私は誰かに追いかけられている。
女の人・・・。佳奈先輩だ。
私は大泣きをする。
恐くて、恐くて・・・。

ふと目の前に大きな光が見えた。
眩しすぎて何も見えない。
そのまま光の中に飛び込むと、
気付けば晃輝先輩の胸の中にいた。
あの日の楽器庫の中の出来事のときみたいに・・・。

晃輝先輩は何かを言った。
消えそうな声で。
私はそこで夢が覚めた。

聞こえたはずなのに覚えてない。
嬉しかったはずなのに覚えてない。

なんとも不思議な夢だった。

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