「…あれ?涼子は?」
敦士さんが辺りを見回すが、涼子はいない。
「はぐれたってことはねぇだろ。ずっと一本道だったし。」
良太が寝起きの顔で言った。
幸輔、優太、拓也の3人は、ただ顔を見合わせるのみ。
「先生…。」
「幸輔。先生も実は心配だったんだ。もしかしたら1人でどっか行って、バーン…!と撃たれたりとか…」バーンの音にみんな震えた。
「ま…まさか、殺されたって言うの先生?」
拓也が若干震えながら言った。
「それも…有り得るかもな。」
「まぁ、それより涼子を探すんだ。この先1人で行ったら危険だ。」
1人…減った。
これが事実だったんだ。
幸輔は、有り得ると思った。
でも、信じたくないんだ。もし、自分勝手に行動したとしたら…。
涼子は一体、何をしに行ったのだろう。
血まみれになった涼子を、隅に蹴飛ばす。
いじわる先生は、その時付着していた血を、丁寧に拭く。
「許さない?って言ったよな。お前…。」
動かない死体に低い声で話し掛ける。
「オレはな…もっと許さねぇ。」
その死体を、殴って殴って殴り倒した。
いじわる先生の顔は、もう人間じゃないような顔だった。