A.M 5:00
啓吾たちは、港に来ていた。港には1艇の船が止まっていた。
「じゃ、皆気を付けてな!」
船に乗り込んだ啓吾たちに源二が手を振りながら言う。
「源二は行かねぇのか?」
「ばぁか。俺は、建物の管理だよ!」
「へー・・・」
源二は、船から一歩はなれた。そして、ニカッと笑っていった。
「頑張れよ、御前ら」
「分かってますよ」
と、怜はニコッとしていった。船はゆっくりと港から出発した。晶のいるファーベール島に向かって・・・。
港が見えなくなった頃、龍華は袋の中をあさり始めた。
「おい、御前ら。来てみろ」
と、龍華は啓吾達を集めた。そして、1人ずつブレスレットを渡した。それを見た啓吾は言った。
「何だよ。これ」
「源二から貰ったんだ。そこにボタンがあるだろ?」
ブレスレットを見ると、小さなボタンがついていた。
「御前らが戦いで戦闘不能になったら、そのボタンを押せ。そぅすれば、スィークレット・カムパニにワープできる」
と、龍華が言うと啓吾達は「おーぉ・・・」と、いう感じの表情をしながらブレスレットを腕に付けた。
「この先、何があるか分からないからな。ちゃんと付けとけよ」
と、龍華は空から降ってくる紙に気づく。その紙は、船の床に落ちた。
ボッ・・・
その紙はいきなり燃え出した。
「!」
「何だそれ!燃えてるじゃねぇか!」
啓吾は、あわてて水をかけようとする。
『やぁ、リイバー諸君』
燃えている紙の中から1人の男が現れて話し出した。だがその男は薄れている。
「晶・・・っ」
龍華は睨みつけながら言った。
『久しぶりだね龍華』
どうやら、その紙はお札のようだ。お札によって離れているところから晶は自分の姿を映して話しているのだろう。
『こっちに向かっているようだが、それまでに何人残れるかな?』
「うるせぇ、さっさと失せろ!」
龍華は怒っている。啓吾達は晶を睨んでいる。
『まぁ、楽しみにしてるよ』
晶は、ニッと笑って消えた。お札は燃え尽きて風に吹かれて飛んでいった。