戦場にて 兵の他に
地に伏した 少女が一人
火薬玉と弾丸の
飛び交う中で
地に伏した 少女が一人
青年の兵が 少女に気づき
生死の確認
…まだ生きていた
「おじ ちゃん」
消え入りそうな か細い声
「わ たし
我慢した よ
ご飯少な くて も
文句 言わなか た よ
兵隊さんがね
勝手 に
お母さん殺して も
泣かな かったよ
ねぇ ど ぅして?
痛いよ 痛いよ
何で
戦争な んて やったの
死 んじゃう んだよ
みんな みん な…」
冷たくなった幼い体を
そっと弾丸の届かぬ
岩影に隠し
最後にぽつり 言う
「ごめんなぁ…
ごめんなぁ…?
こんなちっちゃい
子供まで…
おじちゃんが悪いんだ…
おじちゃんたちが…
悪いんだ…」
青年の兵は フラリと消えて
もう誰にも
見かけられなかった
その岩影には
地に伏した 少女が一人…