１４歳、漫画家になりたかった僕。
少ない小遣いを貯めて、画材道具を買いに行った。
１６歳、初めて彼女ができた僕。
漫画家の夢を応援すると、笑顔で言ってくれた。
１９歳、なんとなく恥ずかしくて夢は語らなくなった大学生の僕。
彼女と同棲を始めた。
２３歳、バイトをしつつ漫画を描いては投稿する僕。
彼女は雑誌編集者になっていた。
２５歳、現実の厳しさを知った僕。
彼女は「また頑張ればいいよ」と笑ってくれた。
２７歳、夢を諦めた僕。
これから就職活動をする。
２８歳、なんとか受かった会社で働く僕。
彼女の両親に「娘を宜しく」と言われた。
３２歳、コツコツ貯めたお金で指輪を買った僕。
彼女に渡すと、泣いて喜んでくれた。
３３歳、大きなプロジェクトの責任者になった僕。
「期待している」上司の言葉に、少し遣り甲斐を感じた。
３５歳、昔の描きかけの漫画を見つけた僕。
「…諦めてよかったの？」彼女の問いに答えられなかった。
３６歳、違う夢ができた僕。
「子供…できたみたい」彼女の言葉に、泣いて喜んだ。
５６歳、妻と二人きりになった僕。
「私、幸せよ」僕の夢が叶った瞬間。
[311] 
[0] 
[0]
