その頃、幸輔たちは、一刻も早く涼子を見つけるべく、足早に地下通路を進んでいく。
「こんな所よく１人で…」幸輔の独り言にもみんな納得しているようだ。
「ぼ…僕もそう思います…。」
拓也も、初めて移動中に自分の意見を述べた。
すると、先頭にいる敦士さんが、
「もうすぐだ。」
よく見てみると、地下通路の先に、入り口と同じような扉があった。
「あの先は、どうなっているんですか。」
幸輔は、敦士さんに聞いてみた。
「みんながおそらくこの扉の先にいる。合流地点だ。あの扉から先が、いじわるタワーズ内部だ。」
みんな息を呑む。
「開けるぞ。」
敦士さんが扉を開く音だけが、響いた。
その先には、クラスメイト達がいた。
どうやら、僕らのグループが最後のようだ。
また、幸輔がいる班以外、全員揃っているようだ。
「涼子がいなくなった？」クラスメイト達に、噂が広がる。
「とりあえず、今いないのは、相田涼子。後は大丈夫だな。」
香山先生の声に、みんな頷いた。そして敦士さんが説明した。
「ここは、地下エントランス。ここから、タワーズヘと繋がっている。この先には、まず工場が広がる危険な所だ。みんな１つに集まって、自分勝手な行動はしないように。オレたちも全力で君達を守る。いいな？」
全員、頷いた。
敦士さんが、扉を開けた。
みんな、一斉に中へ入った。
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