この空が絶望に染まる、その前に 25 〜レオナルド・ザ・ピンチ〜

きゃしー  2009-12-07投稿
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――「あんた名前は?」

白い坂道を並んで下っていると辺りの人々は2人を避けるようにしながらじろじろこちらを見てくる。
レンはその視線を気にしながら足を速めた。

「聞いてる?」

この男は全くこの視線に気付いていないのだろうか。

「…え?…ああ、あたしの名前はレン…」


――『レン、あなたはこの世には存在していないことになっています。なので簡単に外で自分のことを明かさないように。いつ命が狙われるかわかりませんから…』――


レンの頭にルシオの忠告が浮かび、レンは言いかけた言葉を飲み込んだ。

「レン?」

「あ…えっと…レンニューっていうの。レンニュー!!」

レンは慌てて答えた。

「ふぅん、変わった名前だな」

「あなたは?」

「俺は…レオナルド・ザ・ピンチ!レオナルドでいいよ」

「へーあなたも変わった名前ね。それに…さっきのあの強さ…あなたは一体何なの?」

「うーん、まあ旅人みたいなもんかな。人を探してるんだ。あんたもこの島の人間じゃないでしょ?」

「え…うん」

レンは驚いて彼を見た。男は鼻唄を歌いながらすたすた歩く。

「何でわかったの?」

「なんとなく♪」

彼は意味深な笑みを浮かべた

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