亜由美と私は自販機の明かりの前で人を待つ。
亜由美を見るとおっきな鏡を取り出して、化粧直しに一生懸命だった。
「おつかれぃっす!」
後ろから元気の良い声が聞こえてくる。おぉっ…パッと見すごくチャライ。首や手首にはジャラジャラアクセサリーがついている。「あっ!翼くんっ」
亜由美が駆け寄る。
どうやら亜由美が呼んだのは、私たちが働いてるお店に営業しにきたホストだった。
「タバコ何?」翼くんが私の顔を見るなり聞いてきた。私はホストってたかるイメージしかなかったので少し驚いた。
「はいっ!行こうか〜」
タバコをさりげなく私にくれて亜由美と私は翼くんの後ろをついていく。思ったより人通りの少ないそのビルはなかなか古びて居た。
「いらっしゃいませ!」
エレベーターを上がると威勢のいい男だけの声が聞こえてきた。
「今ボックス空いてないからあくまでカウンターでいい?」
翼くんが聞いてくる
「全然いいよ〜」亜由美が愛想よく答えた。