まず最初の部屋は、地下倉庫。
それほど広くないが、何か分からない荷物で一杯だ。蛍光灯の明かりが、臨場感を漂わせる。
クラスメイトは、誰も話してなかった。
次の部屋は、いよいよ工場内部。現在フル稼働中で、鬼のような武士、鬼武士が大量に作られていた。
それらを見て、全員機械に身を潜める。
敦士さんは、出口となる扉を確認している。
「出口見つかったら、オレに連絡しろ。」
無線で話している姿が、何だか格好良かった。
…その時！
様々な扉から、鬼武士がやってきた。
クラスメイトは悲鳴をあげながら、あちこち逃げ回る。
「みんな！落ち着け！」
鬼武士もそれに気付き、攻撃態勢に入った。
混乱状態のクラスメイト達。辺りは戦場と化した。
「幸輔！逃げるぞ！」
優太に引きずられ、何とか逃げる幸輔。
しかし、正面に鬼武士が迫ってきた。
優太は幸輔をかばいながら、近くにあったドラム缶で鬼武士の頭を殴った。
思考停止した鬼武士は、その場に倒れた。
あちこちで聞こえる銃声。幸輔、優太は近くの扉を開け、地下工場を後にした。扉の先には、２体の鬼武士がまたいた。
地下工場で騒ぎがあったのをロボットながらに気づいたのだろう。
「逃げるぞ！」
優太の声で、逃げた。
どうやら、２人には気づかなかったようだ。
「ここは、通路か。」
明るく清潔感漂う未来的通路。
「なんか…未来のビルの中って、こんな感じなんだろうな。」
優太の息切れは激しかった。なぜなら、
「まだ…治ってないんでしょ？ケガ。」
幸輔は、優太の足を見る。足には、いくつもの痣が、まだ痛々しそうだった。
「大丈夫。こんなもん。ほら。」
優太は、走るふりをした。「…そっか。」
こういう時は、優太を責めないで、２人で頑張っていこう…。
幸輔は、そう感じた。
「でも、離れちゃったな。せっかく集まったのに。」「そうだね…。敦士さんとも離れちゃったから…。」すると、優太が弱音を吐いてしまう。
「じゃあ、２人で死のうか。」
「えっ…」
まさか、優太の口から、そんな言葉が出てくるなんて…。
「オレ…生き残れる自信がねぇよ。」
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