「あの〜鳥さん。すみません。人間なら僕以外にも沢山いますし、それに、ほら、僕は魔力も弱くて、薪に火を着けるくらいしか出来ませんので〜。ですから〜。どうか。お願いです。降ろしてぇ〜。」
あの後も、断る僕の話しをまったく聞かない青い鳥は再び巨大化し、僕の身体を鷲掴みにして、今現在は無理矢理、天空の城に連れて行こうとしている。
僕は再び青い鳥にお願した。
「鳥さん。お願いです。降ろしてください。なんでもしますから〜。」
やっと青い鳥が返事をくれた。
『何?本当か。なんでもするのだな。大丈夫だ、もうすぐで到着する。』
バサッバサッバサッ ぼト
荒々しいが、僕は無事に天空人の島に着いた。
巨大な青い鳥は、飛びながら徐々に小さくなり、倒れ込む僕の顔の前に降り立った。
『ふむ。そういえば自己紹介がまだだった。早く起きてくれ。』
そう言って青い鳥は僕の頭を青い羽根で叩いた。
仕方ないため僕は起き上がり、青い鳥と向き合って座る。
『ここをどう思う?』
自己紹介ではなく、天空の島の感想を聞かれたため僕はやっと辺りを見渡すことが出来た。
島はとても大きかった。今いる場所は一面の草原で、後方100メール先は島の端、前方の左側に湖、右側に丘がありその奥に林があるようだ。
それより先は雲が掛かっていてよく分からない。
「綺麗な所ですね。もっと小さくてごちゃごちゃしているのかと思いました。」
僕は、どこかで身につけた固定観念を拭い去った。
その返事を聞いて、青い鳥は満足そうに頷いた。
『そうだろう。そうだろう。ここは良いところだ。お主も住んでもいいのだぞ。』
そう、誘われて僕は
「遠慮しときますよ。」
と、鳥の誘いを断った。
『気が向いたら。いつでも言ってくれよ。』
青い鳥は、羽根を広げ、再びたたんだ。自己紹介をすることにしたようだ。
『本当に。こんな事件がなければ、私は人間と会うことなんて無かっただろう。私の名はウィンだ。私のことはそう呼んでくれ。』