奈央と出会えたから。<407>

麻呂  2009-12-09投稿
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その翌日――


渋川が、あたし達の予想通りのリアクションを示してくれたのは、


登校して間もなく、

ホームルームが始まる直前だった――



『き、き、き、北岡っっ!!

北岡は来てるかっっ?!

今すぐ職員室に来なさいっっ!!

それと、今日のホームルームは自習だ!!』



渋川の慌てたその様子に、


クラスメイト達は、一瞬ざわついたケド、


昨日の話の流れから、


すぐに聖人の処分が決定したのだと悟ったようだった。


聖人が少し気だるそうに席を立ち、教室から出て行くと、


ユカが心配顔で、あたしに話しかけてきた。



『奈央おはよ。

昨日はびっくりしたよ。あんた突然、教室飛び出すんだもん。』



ユカには、まだ詳しいコトは話していない――



『うん。ごめんね。後でゆっくり話すから。』



職員室には森宮親子が来ていた――



昨日の、FM小樽のゲスト控え室でのコトは、



もちろん、



森宮親子と、あの場にいたメンバー以外、誰も知らない。



あたしには、



森宮親子が今日、なぜ揃って再び、うちの学校へやって来たのか、



大体の想像はついたんだ――



これは後で聖人に聞いたんだケド――



職員室で、森宮親子は聖人に土下座して謝ったんだって。



教育長サンと、その御子息の姿に、



校長と教頭、そして渋川は、目をまん丸くさせていたって。


あっっ!!



そうそうっっ!!



聖人に、5枚目の写真には何が写っていたのかを聞いたら、


こう言われてしまったんだ。





『ばぁか。奈央が心配するコトじゃねぇよ!!』





その日の放課後は、


久しぶりに、穏やかな時間を過ごすコトが出来たよね。



ねぇ聖人。



あのトキの会話覚えてる?!





――俺、アイツら親子のコト、少し詳しく知り過ぎちまったみてぇ――



――どういうコト?!――



――当初の計画を大幅に変更しちまってさ。

実は‥あン時、京谷サンを怒らしちまったんだ‥‥ハハハ――



――えぇっっ?!ホントに?!――



――あぁ。何考えてんだろな俺――





君のそんな優しさが大好きだったよ。



ありがとう。



明日もきっと、



晴れますように――

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