デジログ使いと翁の鍵 第14ログ―戦闘?―

白山こっこ  2006-08-13投稿
閲覧数[349] 良い投票[0] 悪い投票[0]

第14ログ―戦闘?―\r

ただ避けているだけでは埒があかないので、零太は放たれたロープをスライディングで受け流しながら切助に近付いた。昔、地区対抗の草野球に巻き込まれた時に習得したのだ。
「うらあっ!近付ければこっちのもんだ!」
そのまま相手の動きを見計らい、腹を冷気の右手で殴りつける。
「!!!
っく、はっ…」
切助は少し血を吐き、よろめいて体勢を崩す。しかし、たたらを踏みながらもすぐにもう一度ロープを巻き戻した。
「…ナルホド、これが冷気の威力か…ドライアイスいっきに腹に浴びせられた気分」
ロープを右手で握り、左手は腹を押さえる切助。零太はまだ拳を構え、次のチャンスを狙っている。
「でも…俺だってやられっぱなしじゃないよん!カット!」
「…わかった」
カットというらしいデジログ使いが、先端がランザの槍(?)と似ている、強いて言えば中国の神話の猿が持つような棒を出し、それをつかってロープを叩く。
途端ロープはうねって切助の腕に巻き付き、一段と切れ味がよさそうな物に変化。
「修行は、翁の鍵がデジログ使いに攻撃しても構わないんだよね」
そう言ったと思うと、彼は腕を前に突き出して前進し、「伸びろ!」と叫ぶとロープがバネのように発射、狙いは零太、の後ろのランザ。
「危ないっ…」
「炎、発射、中級!」
そう叫び、ランザの手元の槍らしき物の先から強烈な炎が噴射。同等の強度と威力のため、お互いに跳ね返って来る。
「隙有りだ!」
その間零太は、ロープの自由が一瞬きかなくなった切助に襲いかかる。
…が、いち早く気付いた切助はロープをまた零太に振り、危ないところで避けるが半分イナバウアー状態。ちなみに道の脇に植えられていた木は一本残らず切断されている。
「くそっ!」
零太は反撃の左拳を切助の顔に横から放つ。その衝撃で切助は吹き飛び、固いアスファルトに叩き付けられた。
「がああっ…!」
ドサリ、と音をたてて背中を打ち付けて体が半分麻痺していながらも立ち上がる切助に、零太は近寄って更なる追撃。足を払い、胸部を右拳で押さえ込む。
「ぐはあぁあっっ!」
切助は悲鳴をあげて気絶しそうになっているが、その間に伸ばしていたロープを素早く巻き戻す。その時零太の左腕にロープが擦れた。
ブシュゥッ!
「あ゙がぁっ!?」
勢い良く血を吹きあげ、そこにとても大きな傷口が開いた。
「痛っつぅ…」



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 白山こっこ 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ