陸上の大会を初めてみたのは、空夏の地元で行われた高校総合体育大会。
そう。インターハイだ。
スポーツで上を目指すものが、皆 目指す 最高の舞台。
ここが最終地点。
この大会だけのため。
ただ頂点を狙って
これから戦うアスリート達。
その緊張感MAXの大会に、鬼ごっこで、迷いこんだ女の子。
空美。
みーんみんみんみん
夏ですよアピールしてくるセミ。
(セミの抜け殻みして脅かそうとしてくる男子うざいんだよなぁ…。)
8時をすぎても、集団登校のみんなに迷惑をかけることはない。
そう。夏休み!
子供の特権!
初めは、朝一番に友達と市民プールに行って
日がくれるまで公園で遊んで…
そんな毎日だったが
お盆に入ってから、いつも遊んでるカナちゃんもナッちゃんも、みんな
おばあちゃん家に出かけてしまった。
空美の家は、お正月にしか会いに行かないので
こんなとき退屈で退屈でしょうがない。
扇風機がうるさかったので扇風機にむかって
アーッと叫んでみた。
「空美!暇なんだったら、宿題やりなさい!また最終日にドタバタするじゃない!」
34才の女が、近付いてきた。
アーッ!!!
さっきより大きい声を出して、そのまま外に飛び出した。
宿題?
そんなん最終日にやればいいんだよ !
そしたら誰かしら手伝ってくれるし、そっちのほうが効率いい !
そんな小学校らしくないことをぶつぶつ言いながら、空美はブラブラ歩いた。