退院をした桜だったが、すぐに倒れて入院する事が多くなっていた。
私は病院に行く度に
「体調を良くしなくて外出するからだよ」
ベッドの桜に言うものの、「だって、大和君の家に遊びに行きたくて、桜が散ったら意味ないんだよ?」
桜の木に会いたくて我慢しているのを知ると、
「じゃあ、今度写真持ってくるから、それでいいか?」
「あの場所に行かなきゃ意味ないの。行きたいなぁ〜」
わがままを言う桜を見兼ねた美由紀さんは、
「じゃあ、先生に頼んでみるから待ってなさい」
部屋を出ていく。
「あんまりわがままを言うなよ」
桜を少し怒ると、
「わかってるよ。でも本当に行きたくて、大和君と一緒に写真撮りたくて」
毎年撮っていた写真の件を話だす。
「無理して身体壊したいのか?桜が元気になんないと、桜の木だって悲しいよ」桜に言うも、
「我慢するのって嫌だよ」自分の立場にあたっていた。
美由紀さんが部屋に戻ってくるなり、「桜、1日だけなら外出していいって先生が」
少し慌ていた様子で話すと、
「本当に?やったぁ〜!」大喜びの桜を見て
「良かったな。これでドレスも着て写真撮れるな?」「うん!!」
急に元気になる桜だった。