翼「なんつーか個性強いバンドやな…」
聖「お前が言うか」
猛「あれ?でも、ボーカルは?」
猛が尋ねると、琢磨が答えた。
琢「そこや、そこ。
舞、お前もちゃんと話せ」
琢磨が指さした場所には小柄で黒髪のボブ、長いまつげに大きな瞳の少女が座っていた。彼女はただ黙々とカレーをおとなしく食べている。
琢「もー舞!はあ…もうええわ。彼女がボーカルの舞。まあ仲良くしたって。」
舞はその丸い瞳を琢磨にさえ向けることなくお茶を飲んだ。
聖「なんか…女版の慶太郎見てるみたいや…」
猛「確かに…」
慶「…?」
琢「で?お前らは?」
翼「え?」
琢「お前らにももちろんバンド名とかあるやろ?」
琢磨が不思議そうに翼を見つめた。
翼「バっバンド名…?えっと…」
猛「そういえば、俺ら、バンド名も決めてへんやんなあ…」
琢「バンド名もないん?!
やっぱたいしたことないバンドやねんなあ」
翼「んなことないわっ!!
おっ俺らは“翼バンド”っていう名が…」
バシッ
美聖拓「勝手に名付けんなっ!!」