『ママぁ!』
『お待たせ!凛』
先生が近付いてきて
『お母さん、今日は凛ちゃんのパパのお誕生日なんですね。凛ちゃん、パパの絵を描いてますよ。』
『ママ、じょうずにかいたよ!パパににてるよ!みて!』
そう言うと紙いっぱいに顔を描き大きな口で笑う愛らしいパパの絵を見せてくれた。
『パパ、喜ぶよ。
上手に描けたね、凛』
家に帰る途中、お店に行き凛の絵を見せに行こう。
健太は、顔をクシャクシャにして喜ぶだろう。
誰よりも凛を好きなパパだから。
真紀と会って、気持ちにふんぎりがついた私は間もなく健太と結婚をした。
結婚をして、すぐに妊娠をした。
女の子の赤ちゃんが産まれると、健太と二人で一生懸命考えて名前を《凛》と付けた。
凛は4歳になった。
健太は独立をして、自分の店を開店した。
今までの悲しみが嘘のように
幸せな日々が続いた。
ずっと…ずっと…
この幸せは続くはずだった。