どのぐらい時間が経っただろう。どれだけ泣いただろうか。
それすらわからないぐらい私はどん底に突き落とされた。
気付いたら御葬式の日だった。
龍之介はバイクで私との待ち合わせ場所に向かっていた。いつもよりスピードを出して走っていた。
そして…曲がって来た車とぶつかった。
バイクは大破するぐらいの事故だったらしい。龍之介は死んだ。
それを聞いたのは御葬式当日だった。
やっぱりあの時聞こえた
私を呼ぶ声。空耳なんかじゃなかった。龍之介が私に知らせたかったんだろう。
【私のせいだ…私と待ち合わせしてなかったら龍之介は死ななかった…ごめん…ごめん…】
【美優ちゃんのせいじゃない。仕方ない事なんだよ。元気だしなよ】
龍之介の家族、親友の嘉奈、たくさんの友人、みんなにそう励まされた。
でも私の耳には入って来ない。
神様の嘘つき。
私から何で龍之介を奪うの?これから何を頼りに生きて行けば良いの?
ねぇ…なんで…なんで私は幸せになっちゃいけないの?
なにしたって言うのよ…
神様なんて…信じない
私はすっかり生きる希望がなくなった まるで魂の抜けた人間みたいに おぼろげな足取りでマンションの屋上へ向かった。