「……。」
「オレ…だったらここで、死にたい。」
優太の目から、涙が出てきた。
「なぁ幸輔。死のうよここで。どうせ殺されるんだから。」
幸輔は、泣き崩れる優太を見て、そっと言った。
「優太の言ってる事も、分かる。確かに僕らには鬼武士たちに対抗できる武器を持っていない。」
「幸輔…。じゃあ…」
「でも、今やる事は、いじわる先生を倒すことだろ。」
「幸輔…お前、生き残れる自信があると言うのか?」幸輔は強く頷いた。
「優太は人一倍、いじわる先生に対する恨みが強かったんじゃないの?」
「そうだけど…。」
「じゃあ頑張ろうよ。こんな所で負けてらんないよ。」
幸輔の優しい言葉が、優太を元気づけていった。
「…そうだな。頑張らなくちゃな。」
優太は立ち上がった。
幸輔もようやく笑った。
「絶対に、倒そうよ。いじわる先生。」
「…だな。」
「それより、ここ通路だったよね。」
「とりあえず部屋に入ろうぜ。」
2人は1番近い扉を開けた。
中は、本棚がいくつも置かれている、小さな図書館みたいな部屋だった。
よく分からない、英語で書かれている本がいくつもあった。
「けっこう気味悪い部屋だな…。」
優太は、辺りを見回している。
「コレとか、やばいよ。」幸輔が手にしている本。
『生きるか死ぬか』
「ひどい趣味…。」
2人が同じ事を言ったので、少し笑ってしまった。
…その時!
「いっ…」
幸輔が倒れた。
「幸輔!」
幸輔は苦しそうに、腕をおさえている。
「幸輔!おい幸輔!」