ナイフ?

陣内  2006-08-13投稿
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『奈々さんから離れろよ』太郎はそう言うと、七十七番を奈々さんから引き剥がしてアスファルトに放り投げた。

なかなかの迫真の演技だった。

『てめぇ、調子こいてんじゃねぇよ』十番が懐かしい言葉を発しながら、太郎に襲いかかる。

太郎は襲いかかってきた十番の右頬を殴る演技をした。本当に殴っているように見えた。というか、本当に殴っていた。

十番がアスファルトに倒れ込むと、恐怖のあまりか十一番・七十七番がとっさに逃げ出した。演技ではないので、人間の醜い姿がよくわかる。

『お、覚えてろよ…』十番はそう言うと逃げていった。

僕も早く逃げなければ、と思いその場から立ち去ろうとしたその時、石につまずいて転んでしまった。そのはずみでサングラスがとれてしまった。慌ててしまったせいか、太郎たちの方向を向いてしまった。とっさにサングラスを拾い、逃げ出した。


奈々さんたちの姿が見えなくなると僕はバラクラバとサングラスを外した。心地よい風が顔を包み込む。


公園に着くと十番たちがいた。十番が、頬に手を当てて痛そうにしていた。そして、僕たちは置いていた荷物を持ち、さっさと解散した。

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