月曜日、教室に入ると太郎が落ち込んでいるのが一発でわかった。ブルーのオーラを発している。
『太郎…どうだった』珍しく僕から声をかける。
『完璧な作戦だったはずだ…』
太郎、君は純粋な心の持ち主だったのか、と思った。
それから、太郎は電池が切れたロボットのように止まった。仕方なく僕は自分の席に戻った。
昼休みに屋上でご飯を食べていると、また奈々さんが声をかけてきた。
『どうしたの?』
僕は立ち上がり奈々さんの方を見る。その時…
バチン、とビンタをされた。あまりに気持ちいい音だったので、ビンタされた感じがしなかった。しかし、時間がたつと痛みが徐々に現れ、ビンタされたことに気づく。
『な、な………………』
あまりの驚きに声が出なかった。
『サイテー』彼女は静かにそうに言うと去っていった。
サイテー。たった四文字の言葉が、ナイフのように僕の心を突き刺す。強い痛みを感じた。周りの生徒の視線を感じる。公開処刑で処刑される悪人の気持ちがわかったような気がした。
奈々さんにビンタされた理由は大体予想がつく。ドナルドの正体が僕ということがばれたのだろう。失敗しても僕には関係ないと思っていたが甘かった。