recall project #31

ERROR  2009-12-13投稿
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”入金スル額ヲ決メテ下サイ”
メガネがUSBを挿すと、急に音声が流れた。
「あっ、画面にタッチして入れる額を選んで。今回は最小の10円でいいから。」
女性がそう言うとメガネはポケットから財布を取り出し、10円を入金した。
”入金ガ完了シマシタ。USBヲ抜イテ下サイ。明細ガ欲シイ場合ハコノボタンヲ押シテ下サイ。”
機械はそう言って最初の画面に戻った。
「それで入金完了よ。簡単でしょ?」
「はい、すごく簡単でした。」
メガネは女性の方向を向いてそう言い、USBを女性に返した。
「これがPPの換えかた。他、何か説明してほしいことは?何かある?」
女性がUSBを元の場所にしまいながら言った。
「はい!ここでは何を売ってるんですか?」
またしても怜が声をあげた。
「んーとね…はい、これがここで売ってるもののリストね。」
女性は俺達にそれぞれ1枚ずつ商品のリストが書かれた紙を手渡した。俺達はその紙を食い入るように見る。
「色々売ってるね。」
怜が声を発する。
「うん、ただ……高くね?」
俺は低く小さい声で怜に言った。
「ノートが……20PP、シャー芯も一番安いので20PP……確かに高いね。」
怜も小さい声で囁き返してくる。1PP=10円より、これらは200円相当、一般に商店等で売られているものより高い。
「あー、高いでしょ。その理由はね……」
女性がそう言いかけたのを遮ってメガネが話し出した。
「本当のPPの価値を守るため。」
俺、怜、そして女性は驚いてメガネの方を見る。
「この学園内での”本当の”PPの価値を守るために高くしているんだよ。」
「それはどういうこと?kメガネ君。」
「えー、じゃあこの学園内で”稼いだ”PPを本物のPP、そこで換えたPPを偽物のPPとしよう。例えば、ここのノートが実際の価格、外と値段が同じだったら八嶋君はどうやってこのノートを買う?」
そう言ってメガネは俺の方を向いた。
「そ、そりゃあ持ち金を使うだけのPPに換えて買うけど……」
俺がメガネから視線を外してそう言うとメガネは続けた。
「八嶋君の行為が正しいと思うよ。みんな下手に”本物の”PPを使ってランクを下げたくないからね。」
そう言った後、メガネはその眼鏡を外した。



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