『寒いね〜。』
季節は気が付けば12月…
冬の真っ只中。
私達はそんな事をいいながら街中を歩く。
あと一週間もすればクリスマス。
またこの仲間で遊びに行くのかな〜
何て私は考えていた。
「今年は絶対‘エルビノンテ’のケーキだからね!!」
「美絵はいつもそればっか何だから。」
「ほんとほんと。でも去年は風邪引いて大変だったもんね〜。」
そう。去年の冬は美絵の看病に追われる始末となり、私達のクリスマスは最悪のものとなった。
「今年は風邪引かないでよね。」
「大丈夫〜。去年みたいに夜通しゲーセン通い何てことはしないから〜。」
「絶対反省してないよ…こいつ。」
「し、してるよー。」
美絵はそう言って否定してはいるものの、美絵のカバンは嘘をつかない。
ゲーセンで流行りのペアベアーのストラップを見事にぶら下げている。
ペアベアーのストラップはそれぞれ微妙に手の形が違っている。
ペアが見つかるとストラップ同士が手をつなげるのだ。
しかし、一つ手にするのも困難…
その上種類は100以上。
未だに誰もペアで手にしたものはいないくらいだ。
恐るべしペアベアー。