「え?どういう意味だ?」
ダグラスは首をかしげる。
「カルティミアがいると誰に聞いたんだよ。」
「そりゃ、お前・・・・・・。噂だって言ったろ?」
「何だよ今の間は?」
妙な間の取り方にフェレットが食い付く。
「ああ!とにかくいるんだって!」
「ムキになることで違いますと主張しているようなもんだぞ?」
もういいと言うとダグラスは、そっぽを向き、大股で歩き出した。
「どこいくんだよ?」
「カルティミアがいるって証拠を見せてやる。」
振り返りもせずにダグラスは歩く速度を速める。
「おいおい、待てよ。」
「・・・・。」
フェレットは、ダグラスの沈黙にやれやれとため息をつくと、無言で足を踏み出したーーーーー。
遺跡の中は、薄暗かった。
というのも、入ってすぐのところに下に続く階段があり、そのまま真っ直ぐ、闇の中を突き進んでいくと、日光がニ箇所ほどしか差し込まない、大広間のような場所に出たからだ。
少し前の方でボォと、火の灯る音がした。
「うおっ!」
フェレットは思わず声を上げる。
「何だ、来てたのか。」
前方には、トーチを片手に持った火で体を赤くしたダグラスが出現した。
「今さら帰れるかよ!」
「怖じ気付いてこれないのかと思ったぜ。」「ほざけ。」