私は杖がなければ
外を歩けない身体だ
いや
家の中ですら
動くのは大変
鬱と拒食で弱った身体
自業自得とか
甘えてると
言われたら
それまでだけど…
家の階段を
登ることすら
ままならない…
生きる気持ちの
土台はプレゼントしてもらった
あせらず
まず
家の中を歩こう
あせらず
毎日ゆっくりと
生きる心を育もう
ゆっくりね
彼の優しい言葉に
毎日癒される
毎日毎日
彼は同じ繰り返し
ゆっくりね
いつしか
私自身が自分に
言い聞かせるようになった
ゆっくりね
家を歩けたら
次は外に出たいなっ
杖をつく
杖をついて歩く
ゆっくりしか
歩けるわけもない
ゆっくりと
ひとつひとつ
障害物を確認しながらしか歩けない
一人では
生きることも
歩くことも
困難な私を
愛してくれる
なぜ
なぜ
なぜ
いつも彼は大笑
なんでだろうね…
でも僕もさあ
昔は目が悪くて
盲学校に通ってたよ
私は彼のことを
何もしらないし
知る余裕もない
ただ今は
目の前の愛情を信じたい
勇気を持ちたい
ゆっくりと持ちたい
勇気を奮い起こすのは自分
大地を踏みしめ
歩くのも自分
でも…
気持ちは支えてね
…貴方は私の勇気の杖なんだから!
貴方に
恥ずかしくない
自分になるね
焦らないから
ゆっくりね
なんて言わないでね
貴方を
愛してます
桃子