陰に眠る旅人は夢を見る。【?】(上)

 2009-12-15投稿
閲覧数[594] 良い投票[0] 悪い投票[0]

多分、これが最後の夢だ。
必ず、最後の独白になる。

−−−−−−−−−
少し明るくなった”こころ”に、雨が降ったのは、梅雨が明けた日だった。
なんて皮肉なことだろう。
晴れた空を見上げたとき、”こころ”に土砂降りの雨が降った。

君ならその雨を、なんと呼ぶだろう?
『怒り』『憎しみ』そんなんじゃダメだ。
『悲しみ』多分それは、間違っている。
僕なら、こう呼ぶ。
『嫉妬』だ。

その日、突然君が妬ましくなった。

本当、突然だ。

溢れ出すその思いを、抑えようと、留めようと、その思いの出口を塞いだ。

絞めて、塞いだ。
何も出ないように、絞めた。
絞めて、締めて、閉めた。
幕は、閉まった。
本当に、終わった。

気がつけば、君は僕の両手の中にいた。
笑って、死んでいた。

君は、どうして、抵抗しなかった?

本当、羨ましいよ。
君が。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 咲 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]
綺麗になりたい!
モテたい!ならコレ


▲ページトップ