この作品は、ある作家さんのエッセイに感銘を受けた作者が、感謝の気持ちを込めて送らせて頂きます。
桃子さん、感動をありがとう―――\r
“私なんて生まれて来なければよかったのに”
小さい頃、こんな事を言って、母にひどく叱られた記憶がある。
涙を流しながら私を叱った母。
私は、あの時の母の顔を、未だ忘れる事が出来ずにいた。
私は、生まれつきの弱視だ。
学生時代は、杖をつきながら養護学校に通った。
裸眼では、光を僅かに感じる程度で、
コンタクトレンズと眼鏡を併用しての矯正視力で0.01。
大人になると、弱視による影響で、更に網膜が悲鳴を上げている。
なんてデリケートな私の網膜。
もしも私の目が悪くなかったなら、
もしも私が健常者だったなら、
今の私は、どうだったのだろう。
多分、小さい頃、お母さんに叱られた記憶や、周囲の人達にいじめられた記憶の映像を、
夢の中で何度も繰り返し見る事は無かっただろうな。
でもね、最近よく思うんだ。
屈辱だらけの人生の中に、光をくれたあなた。
自信喪失していた私の中に、愛を注いでくれたあなた。
私は、あなたの一番になれなくてもいい。
この関係が永遠ではないと分かっていても、
今はまだ、あなたの側にいさせてください。
『もしもし桃子!?
クリスマスは、どうやら時間がとれそうだよ!!』
『本当!?嬉しい!!』
『一緒にいれるのはイブの日だけ。
でも、その日は一日中一緒にいれるよ。』
『‥‥‥‥。』
『桃子!?どうかした!?大丈夫!?』
『うん。ごめっ‥‥嬉しくて‥‥‥。』
『もぉ!!泣き虫桃子!!大丈夫。
僕は、いつもここにいるよ。』
『う‥‥ん。もう大丈夫。ごめんね。
でも、これは嬉し涙だからね。』
『ハハハ。僕も桃子に会えるの嬉しいよ。
そうだ!!僕との約束、ちゃんと守ってる?!』