セイバー 10話

放浪者  2009-12-16投稿
閲覧数[328] 良い投票[0] 悪い投票[0]

二人は大広間を出、両側に砂で出来た騎士の銅像が立ち並ぶ場所を通りすぎて、左右に別れるT字路に行き当たった。(『魔人の鐘』は大広間に置いてきた。)
「どっち行くんだよ?」
「確か、このあたり。」
ダグラスは、前方の壁にトーチをかざし、黒字で書かれた意味不明な文字を上から目で追っていく。
「読めるのか?」
フェレットの問いかけには答えず、ダグラスはただ黙々と目を走らせる。
そして、『見つけた。』と言うと同時に、意味深な一文字を押した。
その殺那、二人は足元に違和感を感じたが最後、落下していた。
「うぁぁ。」
言葉にならない叫び声を上げながら、なすすべもなく、とりあえず何かしようと、必死で足をばたつかす。
だが、幸いなことに、そう時間が立たないうちに、地面と思われるものから大きな反作用が返ってくる。
「ぐへっ。」
奇妙な声と共に、フェレットは背中から、ダグラスは右肩から地面に落下した。
「おい!何したんだよ?」
フェレットが背中をさすりながら怒鳴る。
「見てのとおりミスった。」
ダグラスはヘラヘラと苦笑いする。
「どうすんだよ?」
「しっ、静かに。何か聞こえる。」
ダグラスはフェレットの問いかけに答えず、口の前で人差し指を立てた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 放浪者 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ