その後、良彦は直美をデートに誘うものの、あっさりと彼女に断れてしまった。クリスマスまであとちょっと、良彦は自分の気の弱さに愕然とした。
そして、日にちが一日一日過ぎて、ついに良彦の24回目のクリスマスを迎えた。彼は会社から帰る途中、名古屋の町中で色とりどりの光に照らされたイルミネーションや、クリスマスツリーを目にし、自分は不幸で馬鹿だと言い聞かせた。
何処からか、マライアキャリーの恋人たちのクリスマスが聞こえてくる。とてもそんな気分では無い。町中ではたくさんのカップルが手をつないで歩いていた。
彼は少し人々に嫉妬して悔しがった。今年は一人ぼっちのクリスマス、シングルベルだと。彼は帰る途中でクリスマスの食料を買い、マンションへと帰った。
12月24日、クリスマスイヴ、良彦は一人で寂しいイヴを迎えた。部屋で、山下達郎のクリスマスソングを流し、コップにシャンパンを注ぎ、クリスマスチキンをレンジで温めた。
そしてテーブルの上にはクリスマスケーキが置かれている。良彦は一人でも一人なりにクリスマスの演出をし、一人寂しくイブの夜を過ごした。
時計も11時30を回り、そろそろ眠りに着こうかと思った時、ドアのベルが鳴った。良彦はこんな時間に誰が何の用だと思い玄関に行き、ドアを開けた。?
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