「ハハハ、チキンがチキンを食べておる!」とサンタクロースは良彦を小ばかにして言った。
「チキンがチキンを食べている?僕が腰抜けとでも?初対面なのに失礼な。」と良彦は怒りを込めて言った。
「オマエはチキンじゃ。クリスマスなのに女一人作れない弱虫チキンじゃ。」とサンタクロースさ良彦をからかった。
「それはそうですけど、僕だってこんな自分が嫌なんです。もっと積極的な人間になりたいんです。」と良彦は思いをサンタクロースに伝えた。
「いいか、人間は自分が駄目だと思ったら変わる努力をしなければいかん、ワシがお主にクリスマスプレゼントをやろう。」とサンタクロースは袋をさばくった。
「オマエには、このシャネルのサングラスもブルガリの香水もロレックスの時計もやらん。おまえにはこの時の古時計で一ヶ月前に戻ってもらう。そしてオマエは好きな子へ告白するのだ。それがワシからオマエへのクリスマスプレゼントだ。ワシはただ人間にプレゼントを配っているだけでは無い。ワシは時間を変える事ができるのだ。さぁ、一ヶ月前へ戻りなさい。メリークリス−マ−ス−!」とサンタクロースは呪文を唱え、良彦は気を失った。